無資格者無免許・対策関係資料集

 

 

はり、きゅう、あん摩マッサージ指圧は、国家資格が必要です。無資格、無免許者で治療を受けるのは多非常に険です。有資格者に治療をお願いしましょう。

マッサージの正しい報道のために

 

目  次

 

1 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関する法律

2 最高裁判例と解釈

3 差し戻し後の仙台高裁裁判例

4 カイロ、整体の過失傷害罪の裁判例(大阪地裁、東京地裁)

5 不正競争防止法

6 不当景品類及び不当表示防止法(一部抜粋)

7 特定商取引法

8 健康増進法

9 消費者保護基本法

10 民法 第415条 債務不履行

11 民法 第416条 損害賠償の範囲・相当因果関係

12 民法 第709条 不法行為

13 検察審査会法

14 国会法 請願書

15 地方自治法 請願書

16 医師法 第17条

17 医療法 第69条

18 通知・通達集

19 厚生労働省全国医政関係主管課長会議資料(平成16年3月開催)

20 BRC(民放連とNHKの第3者機関放送と人権権利に関する委員会・放送委員会)

21 BPO(放送倫理、番組向上機構)

22 JARO(日本広告審査機構〕並びに公共広告機構(新聞・放送・雑誌で378社)

23 NCAC(独立行政法人国民生活センター)各都道府県別

24 日本新聞協会(新聞:110社、通信:4社、放送:35社、計149社)

25 日本生活情報紙協会(生活に役立つ情報を掲載した無償配布新聞)


 

マッサージの正しい報道・広告のために

 

ま え が き

 

 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律推進協議会を構成している7団体は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(以下「あはき法」という)並びに関係法令、通知、通達の遵守を各関係行政機関、警察、関係団体に要請してまいりました。

 医師、歯科医師以外の開業権を許された医療行為者は、助産師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師でありますが、取り締まりを放置してきた結果、免許を取らず無資格で営業している業者が街中に氾濫しています。

 免許は、国家存立の重要な制度であります、医療において免許資格制度になっているのは、十分な知識と技術を持たないで行う施術、治療行為は人体に危険を及ぼす恐れがあるからに外なりません。免許を取らず無資格で人体に危険を伴う施術、治療行為を放置してきた結果、国民の医療に対する信用、威厳を失墜させ、疾病の予防、医療機関で適切な時期に必要な治療、検査を受ける機会を遅延し重大な被害をもたらしています。無免許者による営業は国民の公衆衛生の向上、公共の福祉に著しく反し、いささかの利益をもたらすものではありません。

 無免許者による施術により、医療過誤、医療事故は後を絶たず一層その度合いと深刻さを増しています。このような状況下で被害者が出るまで罰せられない、例え被害者が出ても、訴えられればはき法違反として罰せられた上、賠償責任も生ずることから、被害者と示談で済ませ公になることは稀であり、また、かりに逮捕≦されても不起訴ということでは罪刑法定主義の根幹を否定したものとなっています。量刑の改正が待たれるところであります。

 『憲法二十五条[生存権、国の生存権保障義務]すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』また、『国は、すべて生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。』とあります。

 その福利は国民が享受するものでなければなりません。国の重大な責務であります。

 一般には、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関して 一体どんな法律があるのかすら知られていない。一般のみならず、正確、公正で責任ある言論が要求されている報道機関でさえ時として間違った報道をしていることがあります。

 我々も許された国家資格の範囲内において、出来得る限り、今後も社会の要望、要請に応えるべく日々研鑽して行く所存であります。

 この小冊子は斯業に関係した法律、通知等出来るだけ多く集め、マッサージの正しい報道、広告のために役立てて頂きたく作成いたしました。

 

                     あ は き 等 法 推 進 協 議 会

 

                           代表 (社)全日本鍼灸マッサージ師会

                     (社)日本鍼灸師

                     (社)日本あん摩マッサージ指圧師会

                     (社)全国病院理学療法協

                     (福)日本盲人会連

                     (社)東洋療法学校協会

                      日本理療科教員連  

無免許・無資格者マッサージは違法です。

 

よく確かめてから報道して下さい。

 

 マスコミの使命は日本新聞協会の新聞倫理綱領にもあるように、言論、表現の自由、公共の利益を害することのないよう十分に配慮しなければならない、正確、公正で責任ある言論が、要求されています。

 私達、はり師、きゅう師、マッサージ師の団体もまた医療分野で広く国民の健康と福祉の向上を目的としています。

 我が国において医師、歯科医師以外の開業権を持った医療行為者は、助産師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、および柔道整復師であります。   

 国家資格を持たずに、疾病の治療又は保健の目的を持って、光熱機器、器具、その他の物を使用、応用し、又は四肢もしくは精神作用を利用し施術する行為は禁止されています。

 国家資格を有するということは、資格者が行うものであり、国が認めた制度であります。

 特に、カイロプラクティック、整体、エステティック、リフレクソロジー、ハワイ式、タイ式、台湾式、インド式マッサージ等のいわゆる無資格者の行為は、いい名、呼び名、発声が異なるだけで、生体反応及び物理的な刺激が同質の範疇である場合、すなわち社会通念上マッサージの施術であれば、違法行為として逮捕の対象となります。

 社会に大変影響力のあるマスコミが違法行為を助長さすような言論、報道は決して許されるものではありません。

 無免許、無資格者の増大は、国民の医療に対する信用を失墜さすばかりか医療現場はもちろんのこと国民の公衆衛生、国民福祉全体にわたって混乱を招いています。

 報道されるにあたり、国民に誤認されることの無いよう、正確な情報提供を願ってやみません。そのためには、私たち団体も取材に対して、協力を惜しむものではありません。

 今後とも、社会の木鐸として重大な責務を果たしていかれることを期待いたします。

詳しい資料の必要な方は下記に連絡して下さい。

 

あ は き 等 法 推 進 協 議 会

東京都新宿区四谷3‐12‐17全鍼師会会館内

電話 O3一3359−6O49

代表(社)全日本鍼灸マッサージ師会

                      (社)日本鍼灸師

                      (社)日本あん摩マッサージ指圧師会

                      (社)全国病院理学療法協

                      (福)日本盲人会連

                      (社)東洋療法学校協会

       日本理療科教員連


 

無免許・無資格者 Q&A

 

 あん摩、マッサージ、指圧をするには国家免許が必要です。

 

Q1:その免許を取るにはどうしたらいいですか?

 

A:高校卒業後、国が認めた専門学校を卒業し、国家試験に合格して、申請すれば国家免許が与えられる。

 

Q2:エステ、カイロプラクティック、整体は国家資格ですか?

 

A:NO!・エステ、カイロプラクティック、整体には、国が認めた免許・資格はありません。

 

Q3:カイロプラクティック、整体は国家免許を持たなくても施術(治療)が行なえるのですか。罪に問われないのですか?

 

A:NO! 罪に問われます。「医師法」「あん摩マッサージ指圧師等に関する法律」違反です。

 

Q4:マッサージ師免許がなくても、危険な行為でなければ施術してもかまわないのではないですか?

 

A:NO! 人の身体にふれて施術(治療)するということは危険を伴うもの

であるがゆえに、国が認める「免許制度」があるのです。

  画一的に罰せられます。

  もしも、自分が乗っているタクシーやバスの運転手さんが、「免許はないが車の運転ができる人」とわかった時、安心してその車に乗っていられますか?

 

Q5:エステ、ロミロミ、クイックマッサージ、インド式、台湾式のマッサージは許されるのですか?

 

A:NO! 呼び名、通称、発声が異なるだけで、社会通念上並びに実質上の

「無免許者によるマッサージ行為」については50万円以下の罰金刑にな

ります。

 

Q6:社会のニーズがあるのに、何故いけないのですか?

 

A:ニーズがあっても、無害なものとして国がすべて放任したものでなく、公衆衛生・公共の福祉に反するからです。例えば、未成年者の喫煙、飲酒は許されません。

 

Q7:カイロプラクティック、整体、エステ等で、効能の広告をよく見かけま

すが、取り締れないのですか?

 

A:広告に違法性があれば、不正競争防止法、不当表示防止法、消費者保護基本法、特定商取引法、健康増進法等により、すべて罰せられます。

 また、国家資格者の治療院には広告制限があり、病名などは表示する事ができません。

  よって、病名、症状などを表示したものは無資格業者となります。


 

検証  いわゆる“最高裁判決(昭和35年1月27日)”とは 

 

無資格者・医業類似行為の問題は長年にわたって未解決のまま今日に至っています。その原因のひとつに最高裁の判決の影響が牢乎(ろうこ)としてわだかまって います。それ以後、医業類似行為も著しい変容をもたらしながら街中にあふれかえっています。これは、不当な判決であったのか、行政が取り締まりを怠っているのか、それとも業界が何もせずに放置してきた結果なのか。 あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師に関する法律第2l7号において身分が定められている私たちにとって、釈然としないものを多くの方が抱いておられるのではないでしょうか。

 この、「最高裁判決」とはいったい何だったのか、疑問をお持ちの方も多いと思いますので、もう一度再検討してみたいと思います。

 

 差し戻しは最高裁のテクニック(判決の隠れた本当の理由)

 法曹界の考えのひとつに、憲法の安定性という考え方があります。

 そして法律は、一般論と抽象的で成り 立っていて、具体的・個別的なことをはじめから避けて作られています。その 理由は長くなるので省略しますが、刑法上は「怪しくは罰せず」の原則ですか ら、裁判に負けそうな場合、具体的に一つ一つきめ細かく決められていない憲 法を持ち出すことはいわば常套手段(一種の技法)で、よくあることです。

 これを一つ一つ憲法論議にしていたのでは、最高裁の本来の役目は果たすことは出来ません。法律で解決できることは、法律で解決しなさいという主旨で 差し戻されたと考えられます。また、独立性の最高裁といわれるように、11名の裁判官が一人一人意見を述べ、最後は多数決で決定されることになっています。法律の専門家でないかぎり、論旨を読んでも理解しにくく、誤解されやすい原因にもなっているのでしょう。このことをいいことに、無資格業者は今日まで、最高裁という袞竜(こんりょう)の袖に隠れて、本来の主旨とは違う解釈でもって大衆を瞞着(まんちゃく)してきました。

 我われ有資格者にとっても、正しく認識しておく必要がありますので、もう 一度確認する意味で、被告人の上告論旨を除いた判例を抜粋して掲載してみる ことにします。

 

 主文「原判決を破棄する。本件を仙台高等裁判所に差し戻す」

 以下、本文。

 「憲法第22条は、何人も、公共の福祉に反しない限り、職業選択の自由を有することを保障している。されば、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法第12条が何人も同法第1条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならないと規定し、同条に違反した者を同第14条が処罰するのは、これらの医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するものと認めたが故にほかならない。ところで、医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するのは、かかる業務行為が人の健康に害を及ぼす虜があるからである。それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす(おそれ)のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであって、このような禁止処罰は公共の福祉上必要であるから前記法律第12条、14条は憲法第22条に反するものではない。」

 すなわち、憲法第22条「職業選択の自由」は、「公共の福祉に反しない限りにおいて」認められているもので、法律第217号第12条で医業類似行為が禁止されているのは、公共の福祉に反するからであると述べられています。 

 従って、あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師に関する法律第217号第12条は合憲であり、憲法第22条にも合致したものである。よって、人の健康に害をおよぼすおそれのある行為は禁止処罰対象となるのであります。

 

 次は、仙台高裁に差し戻した後の判決を検証してみたいと思います。

 

      参考文献:別冊ジュリスト 154,155,156,157ページ

            判例時報 345号 176,177,178,179ページ

【川村雅章】

最高裁(昭和35年1月27日)による差し戻し後の控訴審判決

 

 あん摩師・はり師・きゅう師に関する法律第217号12条「医業類似行為の禁止」は合憲であり、憲法22条(職業選択の自由)にも合致したものであり、人の健康に害をおよばすおそれのある行為は禁止処罰対象となると述べました。

 決してあん摩師・はり師・きゅう師に関する法律第217号が違憲であったのでもなく、被告人が無罰になったのではなかったのです。

 

人の健康に害をおよぼすおそれのある行為かどうかについて判断を示していないということで仙台高裁へ差し戻しされたものだったのです。

差し戻し後の第二審、仙台高裁昭和38年7月22日判決

主文 本件控訴を棄却する。

差し戻し前の第二審ならびに当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

差し戻し後の判決は、鑑定の結果、HS式高周波器を使用して行った施術行為は人の健康に害をおよばすおそれがあるとして有罪を下しました。

 

 争点となった人の健康に害をおよばすおそれがあるかどうかについて行なわれた鑑定は、鑑定人それぞれが出した結果が対立し困窮した様子がうかがえます。以下、抜粋します。

 鑑定人 宮地韶太郎氏(東北大学医学部放射線医学教室教授:差し戻し前第三審の鑑定人)は、高周波電波の一種と解し微量の温熱が発生し、投射時間が20分ないし 30分の短時間である場合には健常の人体に対してほとんど影響を与えない。

 鑑定人 大島良雄氏(東京大学医学部内科物理療法学教室教授)は、この療法は過度の長時間の使用は疲労をきたして不適当であるとし、応用の部位ならびに電流の強さに注意しないと病的状態においてはショックを誘発する危険があるとし、両手間とか胸部の通電の場合は心室細動ないし心柏停止の危険、また脳の通電の場合には呼吸循環系に対する危険が推定されるとした。

 鑑定人 伊藤科次氏(早稲田大学理工学部助教授)は、HS式高周波器はその構造上低周波電流が完全に阻止されているし、温度と昇も極めて微弱で、人体に害があるとは考えられないとした。

 

そこで仙台高裁はさらに東北大学医学部放射線医学教室教授古賀良彦氏に鑑定を命じたのであります。

古賀鑑定人は、被検者として東北大学医学部放射線医学教室の医師7名と技師1名を選定して実験を重ねた結果、HS波は高周波ではあるがその波高の不規則性から変調効果を来たして、刺激作用を起こすにいたることを明らかにし、使い方によっては人の健康に害をおよばす危険性を保有していると結んでいる。

 人の健康に害をおよぼすおそれがあるかどうかについての査定がいかに難しいかを雄弁に物語っています。

 そして、裁判所が被告人に有罪を言い渡した理由をこう述べています(以下要約します)。

 HS式高周波器の有害性が問題となるのであって、使い方の如何は関係ないと主張するが、もしこの治療器がそれ自体絶対に人体に有害なものであれば、医師といえどもこれを使用することを許さないのが当然のことで、むしろその有害が相対的な場合、すなわち被療者の体質(禁忌症)、病状または使用方法の如何によっては、危険発生の可能性がある場合に問題が残るのである。

 また、電気・光線を使用する医業類似行為はすべて医療の系列に属するものとして是認したものでないことはもちろんのこと、さらにそれが健康に無害なものとして放任したものではないのである。そして、公共の衛生管理を達成するためには、例えば、あん摩・はり・きゅう、柔道整復の場合におけると同様、人体の生理、病理その他の必要な基礎知識および電気療法についての技術を一定期間修得した者で、所定の試験に合格した者に免許を与え、免許者に限ってこれを施行することを業とすることができるとするのが当然のことであるとし、医学上、科学上の見地から検討して、免許制度に改めることとした趣旨である。

 電気・光線を使用する医業類似行為は、すべて医療の系列に属するものとして是認したものでないことはもちろんのこと。さらにそれが健康に無害なものとして放任したものでないのであると述べています。

 

 しかし、被告人はふたたび事実誤認、医業類似行為の内容が明確でなく罪刑法定主義に反するとして上告します。

 最高裁 昭和39年5月7日 第1小法廷決定

 上告棄却。

本件HS式無熱高周波療法が、公共の福祉に反するものであることを判断するにつき、それが「人の健康に害をおよぼすおそれのあるものであるとした原判決の認定は、挙示の証拠関係により是認し得るところであり、原審における所論各鑑定の取捨、判断に所論のような違法は認められない」として被告人の有罪が決定しました。

 

 このように、最高裁判決は有罪となりましたが、誤解があり、「人の人体に害が無ければ……」と「職業選択の自由」が一人歩きしています。

参考文献:別冊ジユリスト 154,165,156,157ページ

           判例時報 345号 176,177,178,179ページ

以上

カイロプラクティック療法における損害賠償の裁判例

 

施療すること”への責任の重さは資格の有無とは別問題である ―

― 施療する人・受ける人、誇大広告をする側・それを取り締まれないふがいなさ…

それを許す人、それぞれが持つそれぞれの責任とは? ―

 

 

判例1:大阪地裁 平成元年7月10日判決

 

 被告 鍼師・灸師

背筋痛を訴えて、治療院を営む被告の診療を受けたところ、2〜3分の問診をした後、背骨と首の骨が曲がっているからと説明し、カイロプラクティックの説明をせず、施術の承諾を得ることなく、背部から胸椎を指圧し、頭部を前後左右に曲げたり回旋させたりした。

被告は、施術に先立ち、原告に対して「背骨がずれている。背骨と首の骨が曲がっているから痛みが出る。骨の曲がりを直さないかん。」などと説明したうえ、「私は病院の検査で数ヶ月かかっても原因が判らない病人をその場で骨のずれからの病状と診断したが、その後病院でも骨の異常と判ったので病院の医者がびっくりしていた。」「何件もの病院を廻っても治らなかった人を当院で治した。」「リウマチで歩行困難だった大病院の外科部長を治した。」等としきりにカイロプラクティック療法の効能を強調したようである。

原告は、施術の翌18日から豊中市民病院で精密検査を受けたところ、頚椎症性頚髄症であり、被告の施術が症状の急性増悪を招いたと診断された。

その後入院及び通院による治療並びに手術を受けたが、両下肢の頚性麻痺による歩行障害及び胸椎6以下の知覚障害等を招来し、身体障害者福祉法施行規則別表第5号の3級所定の後遺症を残した。

裁判所は被告に対し、金3584万6460 円及び訴訟費用5分の4の支払いも命じた。

参考文献:判例時報 P124,125,126,127,128

 

被告の責任

被告の義務違反の具体的内容は、まず、被告は医師免許を有していないのであるから、原告のように背部の痛みという症状を訴える者に対しては、エックス線検査、CT検査、ミエログラフイー検査等のできる医療機関にその診療を委ねるべきであるのにもかかわらずこれを怠った。また、被告は原告に対して、カイロプラクティック療法によりかえって背部痛や脚の感覚異常を増悪させたり、場合によっては不可逆的不全麻痺等の事態が生じる可能性があることを説明し、危険性を認識したうえで尚カイロプラクティックによる施術を希望するか否かの判断をする機会を与えるべきところこれをせず、かえって病院よりも被告の手法がすぐれていると宣伝し、原告の症状は背骨の曲がりが原因であるという誤った判断結果を告げて、正確な判断を不可能とさせた。

 さらに、このような症状の患者に対して頚椎部等に強力な力を加えるカイロプラクティック療法は絶対に避けるべきところ、これを敢えて行なったため障害を負わせた。

 なお、カイロプラクティック療法は、その施術の結果、かえって頚部痛、腰痛が生じたり、それが増悪するといった症例が多数あり、危険な療法である。かかる危険性を有する行為が民間ではあたかも確立した医療行為であるかのような体で、無資格・無免許のままで行われているのが実情のようであり、医学上公認されていないことから、過度の効能効果の宣伝により患者の療法の危険性に対する認識を誤らせたり、患者が病院等の医療機関で適切な時期に必要な医学的諸検査を受ける機会を奪ったりして、重大な後遺症を発生させる。  

したがって債務不履行に基づき障害による損害を賠償する責任を負うとした。

 参考文献:判例時報 1340号

 P118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128

 

 

判例2:東京地裁 平成3年1月28日判決 

 

整体治療士が腰痛を訴えた患者が、整体施療を受けたところ脊髄不全損傷(馬尾神経麻痺)の障害を負ったケースを整体施療は人体に重大な影響を与えるもので危険性を伴うから患者に対して問診・レントゲン撮影等の諸検査を尽くし、適切な経過観察をした上で整体治療を行なうべきかどうか判断すべき業務上の注意義務があったが、これを怠ったとして被告に対して3902万989円、訴訟費用の16分の9を被告の負担とした。

         参考文献:判例タイムズ No.764 

P236,237,238,239

 

カイロプラクティック療法、整体療法の裁判例の制目すべきは、免許の有無が問われていないことである。

レントゲン、CTスキャン、ミエログラフイー等の検査を受け、医師に診察を受けて危険性の有無を判断してもらってから施療していない過失が問われている。

 

 すなわち実質的に我々有資格者においても独自にカイロプラクティック、整体療法は行なってはいけないとしていることである。

 

 この裁判の中でもあったように、医学上公認されていない療法に自ら行く方には問題がないのであろうか。また、あたかも医学上公認されたがごとき広告の取り締まり義務を怠った行政の責任は問われないのであろうか。

 我々、公共の福祉衛生の向上を目指す者として厳しく対時したいと思います。 このようなことをふまえて、今後のカイロプラクティックの対策につなげていければと思いつつ参考にと報告します。          【川村雅章】

 

背筋痛を訴える患者に対し問診だけでカイロプラクティツク療法を施し頚椎症性類髄症を生じさせたとして、障害に対する施術の寄与度五割についてマッサージ師の賠償責任が肯定された事例